この相続人の「廃除とその取り消し」も一般的ではありませんので、前回の「欠格」同様簡単な説明に
とどめておきます。
兄弟姉妹以外の相続人には「遺留分」というものが認められており、最低限の割合の遺産相続は保障
されています。(下記1208条参照)
これは遺言によっても侵害する事はできません。
しかし「欠格」とまではならないが相続人に非行等があって、被相続人の立場としてはこの相続人には
一切相続させたくないといった場合に、裁判所に申し立てをし相続資格を失わせる方法が「相続人の廃除」
制度です。
この申し立てが認められますと相続資格を失い遺産を相続することはできなくなりますが、その排除
された相続人の子が代襲相続する事はできます。
廃除の申し立ては生前でも、遺言によってでもすることが出来ます。
廃除の取り消しはいつでもできます。
これも裁判所に廃除の取り消しを申し立てる必要があります。廃除請求の場合と同じように生前でも
遺言によってでもすることが出来ます。
参考までに条文を下記に記載しておきます。
(遺留分の帰属及びその割合)
第千二十八条
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合
に相当する額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一
(推定相続人の廃除)
第八百九十二条
遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人
に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行が
あったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
(遺言による推定相続人の廃除)
第八百九十三条
被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた
後、遅滞なく、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならない。この場合において、
その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。
(推定相続人の廃除の取消し)
第八百九十四条
被相続人は、いつでも、推定相続人の廃除の取消しを家庭裁判所に請求することができる。
2 前条の規定は、推定相続人の廃除の取消しについて準用する。
(推定相続人の廃除に関する審判確定前の遺産の管理)
第八百九十五条
推定相続人の廃除又はその取消しの請求があった後その審判が確定する前に相続が開始したときは、
家庭裁判所は、親族、利害関係人又は検察官の請求によって、遺産の管理について必要な処分を命ずる
ことができる。推定相続人の廃除の遺言があったときも、同様とする。
2 第二十七条から第二十九条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が遺産の管理人を選任
した場合について準用する。
【住所】〒300-1532 茨城県取手市谷中326
【TEL】0297-82-6439 【FAX】0297-63-3038
【業務内容】相続・遺産分割協議書作成・遺言・建設業許可申請・運送業許可申請・自動車登録・会社設立・組織変更
メールでのお問い合わせはお問い合わせフォームからも受け付けております。
会社設立・許認可申請・相続・遺言は、当事務所に全てお任せ下さい。
相続は、①相続財産及び相続人の調査から始まって、②その財産・相続人を確定し、③分割協議を行い、④預貯金等の分配・不動産の名義変更といった一連の作業及び相続税の計算・申告等を行う事になります。お忙しい相続人の方には負担になる事もあります。そこで相続の最初から最後までをスムーズに完了させる便利なサービスも行っています。必要な場合は専門の方々と連携して行います。ぜひご利用ください。
住所:〒300-1532 茨城県取手市谷中326
TEL:0297-82-6439 FAX:0297-63-3038
【業務内容】
相続・遺産分割協議書作成・遺言・
建設業許可申請・運送業許可申請・
自動車登録・会社設立・組織変更・